「鳥類学者のファンタジア」奥泉光

鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)

鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)

女性から離れ、ステージに向かって歩き出すチャーリー・パーカーの低い声が聞こえた。
−But not so bad.
バット・ノット・ソー・バッド。でも、わるくない。But not so bad、でも、そんなにわるくない!
もう、なにもいうことは、ないのでした。

この世界に廃墟じゃない場所はどこにもなく、生きている人間も、死んだ人間も、誰もが廃墟を旅している。旅人は疲れ切って柱の陰に座り込み、ふと耳にした音楽に慰められる。癒される。ジャズとは、きっと、そんな音楽だ。

私の感想

4/100