「私の男」桜庭一樹

私の男

私の男

わたしを知るのは、おとうさんだけ。わたしを、汚した、父親だけ。

「もともと、俺のものなんだ。あれは、全部。どこもかしこも俺のもんだ」

私の感想

「猫鳴り」沼田まほかる

猫鳴り

猫鳴り

「悲しいのは、これは、しかたのないことだと思います。ですが、不安を抱いたり恐れたりすることはないんですよ。だって、今起こりつつあるのは、とっても自然なことなんですから。そうでしょう?」
若い声で言われた〈自然〉という言葉は、何かまっさらな感じだった。

私の感想

「下山事件」森達也

下山事件(シモヤマ・ケース) (新潮文庫)

下山事件(シモヤマ・ケース) (新潮文庫)

私の感想
5/100

「エスケイプ/アブセント」絲山秋子

エスケイプ/アブセント

エスケイプ/アブセント

「おれさあ、ここで悔い改めちゃったりすると人生ゼロになっちゃうみたいで、それはちょっと都合が悪いんだよな」

「犬身」松浦理英子

犬身

犬身

「それはわたしではなくてあなたの役割でしょう。可愛い犬にしかできないことを徹底的に実践してください」

「恋愛感情だか何だかわかりません。言えるのは、わたしにとって八束は異性同性を問わず、これまでの生涯で最も心を許し親密になれた人間だったということです。(略)これが男同士だったら、あるいは女同士だったら、いつかそれぞれ異性と結婚して自分の家族をいちばんたいせつにするようになるんでしょうけど、わたしと八束は幸いにも男と女なので、恋愛感情を抱き合っていようがいまいが、結婚してずっと一緒にいることができる。だからわたしは、われわれが男と女の組み合わせであったことを僥倖と思ってたんです。ところが、八束の方はわたしと結婚する気は全くなかったんですね。あいつは人間よりも犬に興味があったから」

「心配するな。ある種の肉と同じで、よく叩いた魂はうまいんだ」

私の感想

「黄色い目の魚」佐藤多佳子

黄色い目の魚 (新潮文庫)

黄色い目の魚 (新潮文庫)

もう、後ろの扉は閉ざされている。でも、前の扉には手が届かなくて、暗い廊下のような場所で、私はぼんやりたたずんでいる。
前に歩いていけるだろうか。
次の扉を開けるだろうか。